アムトラックで脱線事故② ~ 繰り返される悲劇 ~
昨日ブログで書いたアムトラック脱線事故の続報です。
新聞報道によれば、確定していないものの、制限速度の二倍超ものスピードでカーブに進入したことが原因の可能性が極めて濃厚のようです。
本日のWSJに掲載された事故現場の航空写真を見ると、機関車は線路から大きく外れて止まっています。七両ある客車の殆どが脱線し、一両目は原形をとどめないほど損傷しており、事故の凄まじさを物語っています。
回収されたブラックボックスの解析結果によれば、運転手が速度超過に気付き緊急ブレーキをかけたものの、間に合わず脱線に至った模様です。
このような人為的なミスは常に発生しうるものですが、何らかの対策はされていないのでしょうか。
ここアメリカでは、08年のカリフォルニアでの通勤列車と貨物列車の正面衝突事故や昨年のニューヨークでの通勤列車の脱線事故等、頻発する事故対策として、PTSと呼ばれる電車運行管理システムの導入が義務付けられ、順次導入が進んでいるようです。
本来は今年の3月までの導入が義務付けられていましたが、コスト負担に耐えかねた事業者より泣きが入り(端的にいうと、ロビー活動により)、導入義務が先延ばしになっていました。
実際、今回事故のあったアムトラック北東回廊路線でも、ワシントンDCからニューヨーク郊外までの区間は導入されていなかったようです。
この国はこうした事故に対して学習能力が高いであろうと思っていましたが、何故か鉄道だけは例外のようです。
いずれにせよ、今度こそ今回の事故の教訓を活かして欲しいものです。