元ニューヨーク駐在サラリーマンのブログ

NY時代の経験や最近のアメリカについて感じたことを書いていきます

ニューヨーク郊外での借家選び②

昨日のブログでは、地域についてでしたが、今日は建物について書いてみます。

 

日本人駐在が住む借家の種類としては、①アパート、②デュープレックス、③一軒家の3タイプぐらいかなと思います。

 

まず、①ですが、日本のマンション同じイメージのものです。マンハッタン内から郊外までどこにでもあります。よく、コンドミニアム(個人所有)やコープ(組合所有)という言葉が出てきますが、所有形態の違いを表すもので、建物の形態とは関係ありません。なお、借りる時はコンドミニアムのほうが何かと融通がききます。逆を言えば、コープや管理業者が介在している物件は、まず提示された条件を変更することは不可能だと思ってください。

管理業者が介在している方が、何かときっちりしている可能性は高いのですが、何分ここはアメリカ。日本と同じレベルを期待するとがっかりすること請け合いです。

もちろん、コンドミニアムでもオーナーがきちんとした人であれば特に問題はないと思います。

賃料に大きく影響するのはロケーションで、経過年数は日本ほどは重視されていない気がします。大恐慌時代(90年ぐらい前)に建てられた物件でも、きちんとリノベーションされていれば快適な生活は可能ですが、築10~20年程度の物件でもいまいちな物件もあるようです。

広さは色々ですが、マンハッタン(ミッドタウン)では70~90㎡の2BRでも軽く$4000程度はかかってしまいます。 一方、郊外では、駅近くの高級なトランプ・タワーの上層階、160㎡の3BR、更にロングアイランドサウンド・ビューで$4500なんて物件もあります。

余談ですが、日本人は駅近くのアパートを好むので、物件によっては殆どどころか全世帯日本人なんてところもあるようです。

 

次に②ですが、一軒家を上下もしくは左右にくっつけた建物で、日本でも地方に行くとよくある○和ハウスや積○ハウスのプレハブ物件に似た作りです。

ただ、日本とは違い木造建築で、概して築年数の浅い物件が多く、水周りや諸設備が新しいため日本人駐在員家族は好んで住んでいるようです。日本人駐在員家族が住むウェストチェスター郡のハリソンの駅近くにたくさんあります。

          

不動産屋さんに聞いた話では、アメリカ人にはあまり好まれない物件のようで、ハリソン界隈のデュープレックス物件の殆どは日本人で占拠されているようです。
いわゆる、にこいちの物件ですが、日本の住宅に比べると十分な広さがあり、最低でも100㎡以上はあるので、隣の音が気にならなければ検討対象にはなると思います。

これまた余談ですが、不動産屋に聞いた裏話では、物件によってはとても安普請で、隣の生活音がまるまる聞こえてしまうなんてもののもあるので注意が必要なようです。ハリソン界隈の物件のオーナーは、大抵イタリア系アメリカ人で、その職業はビルダー(大工さん)であることが多いようです。そうした側面が良く出るときもあれば、悪く出る(手抜き物件)時もあるようなので気をつけたいものです。

 

最後に③ですが、広さはまちまちで、日本と同程度のものもあれば、数倍もの広さを誇る物件も存在します。

基本的には駅から遠くなればなるほど、よい住宅地となっていて、近隣住民のレベルも上がっていくと見て間違いないと思います。

新しい物件は殆どないと考えた方が良く、特にウェストチェスター郡では、築20~30年は新しい部類で、普通は50年代から60年代ぐらいに建てられた物件が一般的です。中には築100年を越すなんてものもあります。

もちろん、適宜リニューアルされているので、極端にボロい物件はあまりみかけませんが、日本の比較的新しくきれいな物件に慣れた人にはお化け屋敷と見えてしまうこともあるようです。

逆に古くても、きちんと手入れがされていれば、築50年でも60年でも素敵な家は存在しますが、かなり希少な存在であることは間違いありません。

これまた余談ですが、多くの日本人駐在家族は、まず一軒家を探すようですが、家の汚さに辟易として、最終的に小奇麗なデュープレックス物件を選ぶことが多いようです。

また、ウェストチェスター郡は、基本的に貸し手市場なので、オーナーが家をきれいに保つ努力をしないなんて話も聞きますが、真相は、あまりに高額な不動産税のため、お金に余裕がないようです。ただ、この不動産税のおかげで、良い学校教育を受けられているみたいです。

ちなみに、隣のコネチカット州まで足を伸ばすと、急に小奇麗な一軒家を見ることが多くなりますが、税金の違いでオーナーの懐具合が豊かなため、メンテナンスにお金を掛けられるようです。隣の州なんて聞くと遠いイメージですが、電車に乗ってしまえば、グランドセントラル駅まで直通で40~50分程度なのでたいした負荷ではなく、多くの日本人駐在員家族が居を構えています。日本人学校もコネチカットのグリニッチにあります。私も今から選ぶなら、グリニッチ界隈を集中的に探しますね。

 

まとめ的な話ですが、本当に良い物件は日本でもアメリカでも同じで、基本的に市場に出る前に決まってしまうようです。良い地域の良い戸建てを探すには、売りに出されている物件のオーナーと交渉してみても良いかもしれません。そうした人は、フロリダあたりでリタイヤ生活をおくる人たちなので、家賃収入でもよしとする事もあるみたいですから。