元ニューヨーク駐在サラリーマンのブログ

NY時代の経験や最近のアメリカについて感じたことを書いていきます

一番儲けているのは???(アメリカの医療費)

アメリカの医療改革の一環として無保険者を根絶する目的で始められたオバマケア。

最近のニュースでは、健康保険の購入者が700万に達したとかどうとかやっています。

 

根本的には医療費自体を公定価格にしないと、医療費を抑える効果が無いのではと思いますが、自由を尊ぶアメリカでは「そんなの共産主義だ!!」となってしまうのでまず無理なのかもしれません。他の先進国は概ね公定価格を導入しているんですけどね。

 

アメリカに来て一年もすると、ちょこちょこ医者に行くようになります。自分自身では腰を抜かすような高額請求を受けたことはありませんが、周りの日本人で恐ろしい金額を請求された事例は枚挙に暇がありません。例えば、歯科治療で2千ドルとか胃カメラで1万ドルとか、日本では考えにくい金額が平気で請求されるようです。

流石に医療費がそこまで高ければ、当然、健康保険の保険料もバカ高くなり、無保険者も出てしまうのも分かる気がします。

 

では、医者がしこたま儲けいるのかというと、必ずしもそうではないようです。何かの新聞で見た記事には、医者(勤務医)の年収はキャリアの後半で平均して20~30万ドル程度ということで、日本の医者と比べて特別高くはないという印象です。

 

それでは、儲けているのが保険会社なのかと思ってしまいますが、儲けすぎを防止するために儲けの一定割合を返金することが法律で決められているようです。

 

じゃあ誰が一番儲けているのでしょうか?

いろいろ見聞きした限りの話では、そこかしこで医療訴訟を煽っている弁護士なのかもしれません。彼らは、医療過誤の被害者やその家族に猛烈な営業活動をしていて、勝訴した場合の成功報酬のみで事案を引受けており、訴訟を乱発しているようです。

 

これに対して医者は負けた場合に備えて保険に入っているようですが、その保険料が物凄く高額で、支払いきれず廃業してしまうケースもままあるそうです。

 

移民国家アメリカが営々と築きあげてきた訴訟社会を一朝一夕で変えることは難しいと思いますが、そもそも、何で医療費が高くなるのか疑問に思う人がいないのか(いても声に出さないのか)、オバマケアのニュースを聞くだびに不思議に思っています。